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全身を包む黒毛に六箇所(四肢・頭・尾)だけに白毛があることから、鹿児島では「六白」とも呼ばれる鹿児島県産黒豚。
寒さが苦手な黒豚にとってこの温暖な鹿児島の気候はのびのびと育つためには欠かせない、そしておいしさの条件である。
一般的な白豚と大きく違うのは肉自体の味がしっかりしていること。保水力が良く、筋繊維のきめが細かくしまっているので「ジューシーでいて、歯切れよくやわらか」というのが特長だ。そして、脂身の旨さ。脂肪分の融け始める温度が高いのでべとつかず、さっぱりとしているため、赤身と同じような食感も楽しめる。
九州ならではの甘みのある醤油をベースに塩分をできるだけ抑え、保存料も加えずに特別に仕上げさせたこだわりの醤油。豚肉を漬け込むとさらに深い味わいを増す、試行錯誤の末たどり着いた納得の味である。
東シナ海をのぞむ南さつま市長屋山の木を原料としている。潮風を浴びた木は大きく育つことができない分、何十年もかけて太く短く育つ。根強く育った木を使うからこそ、密度が濃く、しっかりとした炭となる。
地元の炭焼き職人、山崎武夫さんが手作りの窯で木を炭へと焼いていく。木が含む水分の状態やその日の気温や湿度によっても炭づくりに最適な温度や焼き時間は異なる。密閉された窯の中では、直接温度を測ることはできない。煙突から出る煙の温度やその様子で中の状態を判断し、火力を調節する。木炭づくりに20年以上携わる職人だからこそ成せる熟練の技だ。
炭火で、常に一定の温度を保ち焼き上げるのは至難の技。そして人手や手間もかかる。しかし炭火焼きでしか味わえない香ばしさや旨味がある。
現在使用している炭焼き釜は寸胴釜をもとに、熱伝導・断熱効果・炭の火力維持といった炭火焼きを極めるため、釜内部の素材や構造、空気口の場所など研究を重ねて特別に作らせたもの。
そして、熱効率に長けたこだわりの釜での焼き加減を判断するのは職人でしか成し得ない。脂身を焦がす煙を合図に火の粉舞う釜の中に迷いなく手を入れ、焼け具合を確認する。釜の火が消えるまでは、一秒たりとも無駄にできない炎・時間との真剣勝負。炭焼き場は、極上の焼豚を仕上げるため、職人達の熱い思いに溢れている。